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輪郭線はかく?かかない?

小学生頃になると、絵を描く時は鉛筆、消しゴムを使い 最初に輪郭線(下がき)を描いてから、その輪郭線の中をきれいに塗るという方法で絵を描く場合が多いかと思います。物には形があって、本物そっくりに描きたい!という気持ちから、まずは下がきをして、間違えたら消しゴムで消して直す、そしてその中を丁寧に塗るを繰り返します。誰しもが「はみだしてるよ、丁寧に塗って!」と1度ぐらいは言ったこと、言われたことがあるかもしれません。

でも本当に、この繰り返しでいいのかな?と思う時があります。絵には正解がありません。思い込んでる描き方や順番を変えてみると、絵がもっともっと魅力的に、自由に楽しく描けるようになるかもしれませんよ(^O^)

 

★私が思う、輪郭線があったらいいもの、 ないほうがいいもの(描いた絵を絵の具で塗る場合です)

輪郭線をかくもの・・・かたちが決まっていて時間が経っても変化しないもの、デザインやポスターなどはっきりと目立つ方がいいものなど

 

輪郭線をかかなくてもいいもの・・・自然のもの(雲、水、木、雨、雪など)、動物の毛並みのように無数にあったり、フワフワしていてかたちが定まらないものなど


実践例1

 

当教室でよく行う幼児クラスのレッスン 「目玉焼きをかこう」です。もし、お家でかくならどうかきますか?

目玉焼きなんて簡単!最初に〇の輪郭線を かいて・・・

 

その中を、はみ出さずに塗って・・・

 

はい、目玉焼きかけた!こうやってかく目玉焼きは、魅力的ではありません。わかりやすいように図形で表してみました。美味しそうではありません(>_<)

 


では、このように真ん中から・・・

 

グルグルと筆を回して、広げていきます。 もっと大きくしようかな!ゆがんだけど、それも面白い!

 

美味しくな~れ!手の感覚や偶然できたかたちを楽しみましょう (^O^)

 

 



わぁ~!美味しそうな目玉焼き!大きく描くことが出来ました。(四つ切りサイズの画用紙です)なんと!この絵を描いてから3日連続で目玉焼きを食べたそうです ( *´艸`) こんな素敵なエピソードの話しを聞いて幸せな気持ちになりました。絵がとっても魅力的だったんだと思います。

 

実践例2

「コスモスをかこう」のレッスン。小学生でも大人でも下がきしないで描いたほうがのびのびと表現できる場合があります。

最初に下がきをしてもらうと、丁寧にかくことはできますが、表現もかたくなり、1つ1つを見てしまうので、全体をイメージできません。

横を向いているコスモスやたくさんの葉はほとんどの子は描かずに省略してしまいます。

 

 

このように、花びらが重なる部分もあるのに、色を塗る時に困るので、最初の絵のように1つずつを離してバラバラにかいてしまう子が多いです。  

※私が描いたイメージ画です。

 

 

鉛筆を渡さずに、いきなり本番で絵の具で描きました!見えたまま楽しく描きましょう (^o^)/

 


たくさんのコスモスが描けました。横向きや垂れているコスモスも鉛筆を使わないからこそ、描けたのだと思います。

 

 

花びらが重なって、かたまりで表現できました。花瓶に入ったコスモスだったので、見えたまま描くことができました。

 

 



今回、輪郭線(下がき)を描くか描かないかの違いをわかってもらえましたか?手に任せて自由に描くと、大きく描くことができますし、偶然できたかたちが面白かったり、表現が柔らかくなったり、重ねて描けたりと絵が魅力的になることがあります。選択しながら絵を描いてみて下さいね (*^▽^*)