「絵と工作の教室を開いています」と言うと、芸術方面には全く関心のない方も もちろん大勢いますので、
「絵や工作なんて習うものなの?」
「どんないい事があるの?」 なんて聞かれたりします。
確かに小さい頃はみんな らくがきやおもちゃ遊びが大好きで自然に身についていくものなので、習わなくたって平気だし、図工の授業だって他の主要教科に比べたら成績を気にしなくたってなんとかなりそうな気がしますよね。
でも、私は絵や物づくりは大人になってからも、とっても役に立っていて、成績とは別の感性だったり個性だったり、自分を大切にできる要素になっている気がします。今回は子供の成長と絵を描く過程とともにお話しさせていただきます。
幼少期の絵の考え方
小さい頃はみんな純粋に創作を楽しんでいます。
幼少期の最大の特徴は他者と比べない!!
幼児は脳の発達段階により、他者と比較するという能力が低く、自己中心的です。なので、あの子と比べて自分は絵が下手だとか、あの子みたいに描けたらいいのになどとコンプレックスを感じません。
本当に純粋に描きたいものを描くことができて、固定概念というものもないので、動物をピンクで塗ったり、お家より人が大きかったりしても気にしません。
また自分の感じているまま表現することができます。
転換期の訪れ
しかし脳が大人脳に近づくにつれ、転換期が訪れます。だいたい9歳頃からと言われています。
本物そっくりに描きたい、見たとおりの真実を描きたい。そう思うようになってくると、自分の絵に上手、下手と評価をして、思い通りに描けないと、友達と絵を比べては落ち込んだり、絵を描きたくないと思ってしまいます。ここが分かれ目となるのです。
スムーズに転換期を乗り越えるには?
どうしたらこの転換期の時期を乗り越えて、ずっと楽しく絵や工作ができるのかというのは、それは小さい頃から描き続けて、作り続けて自信を持ち続けることが大切です。
よく親御さんから、「自分が絵が苦手なのでお家では絵を描いたり、工作はあまりさせていません。」と言われる方もいます。それは親御さんが構えすぎです!!
いつもいつも発表会ではありません。お子様の興味のある電車や恐竜、キャラクターを 一緒にらくがきで描いてみる、空箱でお家を作っておままごと遊びをする、その延長で大丈夫なんです。
絵や工作は本来遊びの中に多く含まれていて楽しいことなんですよ(^-^)
お母さん絵が下手だから描けない~と避けないで下さい。
小さい頃から「絵や工作って楽しいよ!」 って言ってあげて、らくがきも工作も出来る範囲でいいので一緒に楽しんで下さい。そうしたら転換期の時期もスムーズに乗り越えられます。
小さい頃から慣れておく、お子様が描いたもの作ったものに関心を持ち、褒めてあげる その繰り返しで、9歳からの転換期を乗り越えていけるんです。私がいつも言っている言葉があります。絵に上手下手はありません。正解、間違えもありません。
教室に通うメリットは?
でも、お家では限界がある、なかなか一緒に時間もとれないし、材料もない。子供がすでに苦手意識を持ってしまった、もっといろいろな表現・テクニックを知りたがっている、楽しい経験をいっぱいしてもらいたい、他者と比べず堂々と自分の思いや考えで制作してほしい、アイデアを考えたり、工夫できる子になってほしい
どうぞ教室を訪ねてみて下さい。
さいごに
何もないところから自分自身で考えて、手を使ってイメージしたものを形にして完成させること。
自分の好きなことがわかること。見つけられること。創造していくこと。
これは個性や感性を育てる大切な要素となります。
ご家庭で社会で趣味で、この能力は将来どんな職業に進んだとしても、生活する上でも自分の大きな財産となります。
柔らかい頭で、他者と比べずに自分が作り上げる世界を大切にしていきましょう!
おまけ
【子どもは誰でも芸術家だ。
問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ。】
この言葉は世界的な画家パブロ・ピカソの言った言葉です。
どうぞ、絵や造形をのけ者扱いせずに、小さい頃からどんどん経験させてあげて下さいね(^-^)
子どもに勝る芸術家はいませんよ!!